
個人間不動産取引プラットフォーム「スマトリ」を運営している株式会社スマトリ(以下、スマトリ)。スタートアップとして少人数で事業を推進する中、深夜や休日に集中する問い合わせへの対応が課題となっていた状況を、クウゼン(KUZEN)の自動化機能とSalesforceをはじめとする外部システム連携で改善しました。
今回、LINE運用を一手に担う取締役COO 高梨雄介様に、導入の背景から現在進行中の新サービス構想まで、詳しくお話を伺いました。
課題
・夜間・休日の内見問い合わせにも対応が必要で、少人数運用に限界を感じていた
・LINE友だち追加のCV計測、友だち追加時のURLパラメータ取得による追客、Salesforceとのデータ連携の3つが非対応だった
・内見受付時の顧客情報を手動でSalesforceへ転記する工数と、担当者ごとのヒアリングのばらつきが課題だった
導入の決め手
・流入元広告毎にメッセージをパーソナライズして、内見予約率の向上が見込めた点
・広告LPのクリック数と実際の友だち追加数の乖離を正確に把握し、広告効果の測定と運用改善に必要な機能が備わっている点
・LINEで取得した顧客情報を自動でSalesforceに格納でき、手動転記の工数をゼロにし、営業へのスムーズなトスアップを実現できる点
・高い拡張性と自由度:外部API連携により、今後発生し得る自社独自の要件にも柔軟に対応できる点
効果
・夜間・休日を含む問い合わせ対応の自動化により、月間約30時間の工数を削減
・GCLIDの取得・活用により広告効果の可視化が進み、配信の最適化と広告成果の向上を実現
・友だち追加時のパラメータ取得により流入元の広告を特定。流入元に応じたパーソナライズメッセージの自動配信を実現
・ヒアリングのLINEアンケート化とSalesforce自動連携により、転記・聞き漏れをゼロに
目次
サービス開始当初、最も大きな課題は夜間・休日の問い合わせ対応でした。
不動産という業種柄、お客様が仕事を終えられる夜間に問い合わせが集中します。問い合わせ内容は多岐にわたりますが、中でも特に重要なのが「内見受付」です。取り扱う物件は自社だけが紹介できるわけではなく、他社も同様に紹介できる競合環境にあるため、反響を逃すと即座に他社へ流れてしまうというプレッシャーがありました。当時はLINEに通知が来るたびにパソコンを開いて対応していました。内見受付に必要な顧客情報を個別にヒアリングしていたため、スムーズに進んでも30分、顧客の返信が遅ければ2時間かかっていました。スタートアップとして数字を作るためにも夜間の問い合わせにも可能な限り対応していました。
また、事業が拡大するにつれて、問い合わせ対応以外にも解決すべき課題が次々と浮き彫りになってきました。中でも最大の障壁となったのが、当初導入していたLINE拡張ツールの機能不足です。
①広告運用の最適化に必要なデータの抽出と運用の最適化
広告LPからLINEの友だち追加において、LP上での友だち追加ボタンがクリックされるたびに広告側には成果が記録されますが、実際には友だち追加に至っていないユーザーも多く、運用データが実態を反映していませんでした。契約件数が積み上がりにくい不動産業界において、「友だち追加」が広告効果を測る最も重要な指標となります。その実数を広告側に返すことができなければ、広告運用の精度を上げることができません。
②友だち追加時のURLパラメータ取得と追客への活用
どの広告経由で流入してきたユーザーかを特定する機能がなくそのデータをもとにパーソナライズされたメッセージを送ることができませんでした。流入元に応じた最適なアプローチができれば、内見受付までの転換率を高められると考えていました。
③Salesforceとのデータ連携
問い合わせ対応の入り口から営業担当者へ顧客情報をトスアップする際、手動での転記作業が発生していました。また、顧客情報のヒアリング内容も担当者に依存した属人的なものでした。こうした情報品質のばらつきや転記ミス・聞き漏れをなくし、営業が即座に動ける環境を整えるため、LINEで取得した情報をSalesforceへ自動連携する仕組みが必要でした。
また、外部ツールとのAPI連携により、今後生まれる独自要件にも対応できる拡張性の高さも、大きな魅力でした。
これらの要件をすべて満たすツールはクウゼン(KUZEN)のみでした。利用中のSalesforce担当者からの推薦も後押しとなり、導入を決定しました。
① 夜間・休日の問い合わせ対応の大幅な自動化で、月間約30時間の工数削減
クウゼン(KUZEN)を導入してから最も大きく変わったのは、夜間・休日の問い合わせ対応の大幅な自動化 です。
友だち追加時のパラメーター取得により、流入元の広告からユーザーの興味関心を特定し、パーソナライズされた自動追いメッセージの配信が可能になりました。
たとえば、流入元の広告に掲載されている物件に応じて、関連する物件情報を自動で送り分けることができます。さらに、内見受付までの一連の対応フローも自動化しています。
特に重要な「内見受付」を自動化できたことで、夜間にリアルタイム対応をしなくても、案件を取りこぼす心配がなくなりました。深夜に届いた問い合わせも翌朝確認するだけでよい体制が整い、以前は1件あたり1〜2時間かかっていた対応時間は平均約30分に短縮され、月間約30時間の工数削減を実現。担当者が夜間・休日対応に気を取られず、日中での業務に集中できる環境が整いました。
②ユーザーごとのGCLID(広告クリックの識別ID)取得により、広告運用の精度が向上
クウゼン(KUZEN)の導入により、ユーザーが広告をクリックした際にGoogleが発行するGCLID(広告クリックの識別ID)を取得できるようになりました。ユーザーがLINEの友だち追加ボタンを押した際にGCLIDをスプレッドシートに保存し、友だち追加が完了したタイミングでそのデータをGoogle広告側へフィードバックする仕組みを構築しています。
これにより、広告LPのクリック数と実際の友だち追加数の乖離を正確に捉えられるようになっただけでなく、Google広告ではどの検索キーワード・どの広告経由で友だち追加に至ったかをピンポイントで特定できるようになりました。クウゼン(KUZEN)導入以前は見えていなかった広告効果の可視化が加速したことで、現在の広告運用における目標指標の達成につながっています。
③ Salesforce自動連携で、転記ゼロ・聞き漏れゼロの顧客情報管理を実現
従来、内見受付や問い合わせ時にヒアリングしていた顧客情報は、現在、LINE友だち追加直後の「初回アンケート」として回収しています。
回答いただいた情報(希望条件・エリア・購入時期など)は、自動でSalesforceに格納されます。これにより、手動転記の工数がなくなっただけでなく、アンケートの質問内容が定型化され、担当者によるムラや聞き漏れが発生しなくなりました。営業担当者は常に一定品質の顧客情報をもとに対応できるようになり、その後のトスアップもスムーズになっています。
また、主要動線である「内見希望」のフローでは、アンケートへの回答が受付完了の必須ステップとなっているため、内見希望者の回答率はほぼ100%を維持。内見希望物件が決まった状態で流入してくる顧客の情報を漏れなく拾い上げる仕組みが完成しました。

今後は、「ユーザーが自分の検討状況や希望物件に合った営業担当者を選べる」サービスのLINE実装も展開していく予定です。
不動産購入を検討する層には、内見したい物件が明確に決まっている方だけでなく、何から始めればよいかわからない方も少なくありません。そうした方々の最初の相談から物件提案まで伴走できる営業担当者を、ユーザー自身がLINEの中で自由に選べる仕組みを構築しています。具体的なフローとしては、クウゼン(KUZEN)に流入したユーザーがアンケートに回答すると、エリアやこだわり条件・内部スコアリングに基づいて、条件に合った営業担当者がカルーセル形式で表示され、選択した営業担当者とそのまま1対1のやり取りへと移行する流れです。営業担当者情報はスプレッドシートで管理し、自動化ツール「Make」(iPaaS)をハブとしてクウゼン(KUZEN)へリアルタイムで連携させることで、表示順の自由度を確保しています。
今後はAI活用も視野に入れており、LINEの会話の中でユーザーとのやり取りがより自動化・高度化されていくことへの期待も高まっています。ユーザーがまるで会話(チャット)をしているような感覚で、気軽にサービスを受けられるアカウントにしていきたいと考えています。


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