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北海道エアポート株式会社

新千歳空港が挑む、到着から出発まで旅行者と繋がり続ける新しいLINE活用 

北海道エアポート株式会社

新千歳空港事業所 リテール部 リテール課 矢部様、小笠様

北海道エアポート株式会社(以下、北海道エアポート)は、北海道内7つの空港を運営する企業です。新千歳空港においては、2024年8月よりLINE公式アカウント「北海道エアポート株式会社 新千歳空港事業所」を開設し、クウゼン(KUZEN)を活用した情報発信をスタートしました。
導入から約2年。ユーザーデータの蓄積と自社分析を重ねる中で、新千歳空港ならではのLINE活用モデルが確立されつつあります。現在は「空港に来た旅行者が北海道を離れるまでの間に、いかに深く・役立つ形でコミュニケーションを取れるか」を軸に据えた施策を展開しています。その試行錯誤を支えてきたのが、クウゼンの専任コンサルタントによる継続的な伴走支援です。
今回は、その取り組みの背景と 、LINEクーポンキャンペーンを中心とした施策の内容・成果について、北海道エアポートの矢部様と小笠様にお話を伺いました。

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課題

・旅行者との接点不足:旅行目的で空港を訪れるお客様とのデジタルなタッチポイントがなかった
・顧客単価を向上させるための、空港での消費活動の魅力や意義を適切に訴求が不足していた

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施策

・LINEクーポンキャンペーン:空港内各テナントで利用できるクーポンをフックに、友だち追加を促進
・ステップ配信:アンケートの回答をもとに、北海道滞在中の方に最適な情報を配信し、継続コミュニケーションを実施

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効果

・月間友だち追加数が施策開始前の約20倍(月間約3,000名)に増加し、現在も安定して推移
・自社メディアとして、月間100万円以上の広告費を投入しているのと同等の宣伝効果をLINE内で実現
・普段は立ち寄られにくい店舗への集客増を実現
・広告宣伝費を確保することが難しい小規模テナントの発信力を強化
・クーポン利用をきっかけとした店舗接客により、クロージング率(購入率)が向上

目次

※LINE公式アカウントの導入~クウゼン導入と初速

新千歳空港のLINE公式アカウント「北海道エアポート株式会社 新千歳空港事業所」は、空港内のイベントやキャンペーン情報、おすすめ施設などを旅行者を中心とする空港利用者に届けるチャネルとして運用されています。

導入当初、新千歳空港はマーケティング観点からの顧客データをほとんど保有しておらず、どのようなお客様がどのような購買行動をしているかを把握できていない点が課題でした。そこで、まずは「情報発信の強化」を目的にクウゼン(KUZEN)を導入しました。友だち追加時にアンケートへの回答を促す設計を採用しており、回答率は友だち全体の95%以上を達成。現在は、取得したユーザー属性データを活用し、ステップ配信を行っています。

事例記事:https://kuzen.io/case/detail/suR5w3R8

顧客理解の深化が明らかにした、新千歳空港に最適なLINE戦略

マーケティングチームを立ち上げ、データを蓄積しながら施策を試行していく中で、次第に自社の事業特性に即した戦略像が明確になっていきました。

新千歳空港の利用者構成は、約7割が飛行機を利用する旅行者(観光・レジャー層)、残り約3割がビジネスや地域住民という構成です。旅行者のうち約8割はリピーターですが、その再来訪頻度は数年に1度程度と長いスパンです。

空港はテーマパークのように、施設単体のブランド力でリピートが生まれるケースとは異なり、旅行における一つの通過点として存在しています。そのため、機能的な便益訴求だけでは不十分であり、北海道旅行者が最後まで"北海道"を楽しみ切れるかどうか、日常と非日常の狭間に位置するという空港ならではの特性を踏まえた取り組みが必要であることが、データや顧客分析を通じて見えてきました。

こうしたデータ分析と、他業種の知見を掛け合わせることで、空港ならではのLINE活用のあり方が見えてきました。

旅行者に対して、単なるお土産の網羅性や品質といった機能的な魅力を伝えるだけでは不十分であり、「北海道旅行の価値をさらに高められる」と感じていただけるような情緒的な訴求ができなければ、購買行動の促進にはつながりにくいという課題がありました。また、数年おきにしか訪れない旅行者と長期的につながり続けることも容易ではありません。そこで、まずはLINEクーポンキャンペーンによる分かりやすいお得感の提供を入口に、今空港にいる旅行者へLINEの友だち追加を促すことにしました。これをタッチポイント創出の第一歩と位置づけ、短期集中型の施策として新たな軸に加え、友だち追加後は情報発信を通じて、旅行者が北海道旅行の価値をより深く感じられるような情緒的な訴求へとつなげていく方針としました。

空港到着から出発まで——旅行者との接点を設計するLINE活用

旅行者が空港に到着してから出発するまでの間、継続的に接点を持つことを目的に、クーポン配布とステップ配信を組み合わせた施策を展開しています。

①LINEクーポンキャンペーン

空港内各テナントで利用できるクーポンをLINE公式アカウントで配 布し、友だち追加のインセンティブとしています。友だち追加導線は、オフラインとオンラインの2軸で設計しています。オフラインでは到着ロビーのすべての手荷物受取エリア(国内線到着客の約7割が立ち止まる場所)にポスターを設置。オンラインでは新千歳空港公式ホームページのトップページから誘導しています。

施策開始前は月間100〜150名程度だった友だち追加数が、開始後は月間約3,000名へと大幅に増加し、現在も安定的に推移しています。

何より「空港でお得な体験をしたい」「空港のお土産やグルメに既に興味がある」という明確な興味・関心を持った質の高いユーザーが3,000名集まるという点に、非常に高い価値を感じています。

このLINE施策を含む複合的な取り組みの結果、2025年度に商業売上として過去最高を記録。単日最高売上も達成しました。また、旅行終盤に再度空港を訪ることがほぼ確定している上に、施策への反応度も見込める顧客を自社メディアで保有できたことは非常に大きく、少なく見積もっても毎月100万円以上の広告費を投入しているのと同等の宣伝効果を、LINE内で創出できていると捉えています。

テナント側にも複数のポジティブな効果が生まれています。普段は立ち寄られにくい店舗への集客増、広告宣伝費を多く持てない店舗の発信力強化、店頭接客時のクロージング率(購入率)向上などが報告されており、空港全体の回遊促進・商業売上の底上げにも貢献しています。テナントからは、「クーポンをきっかけに普段は利用しない店舗を訪れ、新たなお土産との出会いがあった。といった旅行者の声が届いている」との嬉しい報告もあり、顧客体験の向上にも繋がっています。

②旅行者の「旅ナカ」にリーチするステップ配信

友だち追加後はアンケートへの回答を案内し、回答内容に基づいたステップ配信を実施しています。現在は友だち追加日当日と翌日を中心に、空港限定のお土産情報や人気スイーツの案内などを配信中です。

空港での消費活動は、「あらかじめ買うものを決めている計画購買」と「その場の気分で購入する衝動購買」の大きく二つに分けられ、それぞれ購買のきっかけや心理は異なります。ステップ配信では、北海道滞在中、旅行者が観光を楽しんでいる間から空港限定のお土産やグルメの情報をお届けすることで、「帰りに空港で買おう」という計画購買につながる購買意欲を旅行中から醸成しています。同時に、こうした情報に事前に触れておくことで、空港に戻ってきた際の店頭での商品との再会が「やっぱり買おう」という衝動購買のきっかけにもなり、計画購買・衝動購買の両方を後押しする流れを生み出しています。

この取り組みを通じて、飛行機を乗り降りするタイミングだけでなく、北海道滞在中を通じた一貫したコミュニケーション手段としてLINEが機能することが確認でき、空港と旅行者の新たなタッチポイントの創出という大きな収穫が得られました。現在は効果検証を進めながら内容の拡充に取り組んでいる段階です。

上記の施策と並行して、LINEを通じて空港内の飲食店を検索・提案する機能も試験導入しました。利用率はさほど多くはなかったのですが、多くのテナントが集まる商業施設では、旅行者がLINEではなく看板やフロアマップを目で見て直感的に店舗を選ぶという行動が根付いていることがわかり、その後の施策設計に活かせる重要な消費者インサイトが得られました。

こうした「まずやってみる」という迅速な試行錯誤を、現場の負担を最小限に抑えながら短期間で実現できたのは、クウゼンの専任コンサルタントによるスピーディーな実装対応とサポートがあったからだと感じています。

短期的なCRMをさらに深化させオンライン販路の設計にも着手したい

今後も「空港到着後〜空港出発まで」の旅行者とのコミュニケーション強化には取り組んでいく予定です。現在の配信ではテキストによる訴求や任意のページへの誘導が中心ですが、Webコンテンツとして制作する北海道の観光・グルメ・お土産情報をステップ配信に組み込み、旅行者にとっての情報価値を高めていく予定です。その先には、お土産購入時の手荷物負担や購買の迷いにLINEを通じてスムーズに応えられる仕組みの整備や、場合によってはLINE内だけで完結するような購買体験の提供も視野に入れています。

また将来的には、テナントの販路拡大・自社の売上貢献を目的にオンライン環境を駆使した販路設計にも取り組みたいと考えています。オンラインでの販路が整えば、実際の空港利用者にとどまらず、北海道のグルメそのものに魅力を感じている潜在層までアプローチの対象が広がります。ゆくゆくは、こうした潜在層からのコンバージョン(購入)獲得や既存顧客のLTV最大化など、売上に直結する取り組みへとクウゼン(KUZEN)の活用領域を広げていきたいと考えています。

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700

※2026年3月時点

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このような方におすすめ 

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